スタッフ・コラム、スタートします。

< ごあいさつ >

 皆さんごきげんいかがでしょうか。東京渋谷にショップを構えるアムリタ・ギターズです。

我々は基本的にオリジナル・ギターを販売しているショップです。

ギターを作って売ることが主な業務でありますが、楽器店としては珍しく、アナログ・レコードも取り揃えてあります。

今のところ、ギターのお客様とレコードのお客様は、4対1くらいでしょうか。

常連のお客さまは音楽ファンばかりです。

このスタッフ・コラムでは主にギターを弾く方、もちろんこれから始めようと思っている皆さんにも読んでいただきたいことを書いていこうと思っています。

多くの方々に読んでいただけるようにがんばりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

< ギターの魅力〜音楽理論は必要無い? >

 ギターは楽器である。最近では約8割の幼稚園児や小学生が一度は習ったことがあるというピアノや、音楽の授業の際に配られた、正確には購入させられたハーモニカやソプラノ・リコーダーなどと同じく、音楽を奏でるもの。

それは間違いありません。

ただ、ピアノやオルガンといった鍵盤楽器と決定的に違うところは、「ある音程を出せる場所が複数箇所存在する」ということ。

反対にピアノを例にとって比較してみると、88ある鍵盤の全てがそれぞれユニークな、つまり独特な、その箇所にしか無い音程を持っています。

一見すると、ギターよりもピアノの方が合理的でわかりやすい楽器であると思われます。

もちろんその考えには一理ありますし、現代においては、あらゆる楽器の中でピアノがその中心にあり、基準になっていることは事実。

楽器関係の習い事としては、一番人気であることは間違いないでしょう。

 ピアノが優れた楽器である理由は、その「音楽、楽曲をオーガナイズする力」だと思います。

最低音部から最高音部まで、88ある鍵盤は整然と並んでいます。

そして12音階を司る仕様として、黒い鍵盤が存在し、さらに理路整然としたシステムが完成しているわけです。

88鍵はすべてユニークな、それぞれにしかない音程を持っています。

 それに対しギターは、同じ音程が最低でも2箇所は存在します。

つまりある楽曲、フレーズを演奏者によっては違うポジションで弾くことが可能なわけです。

文章だけで説明することは少し難しいのですが、かつてはチューニングするとき、多くのギタリストは5弦の解放ポジションでA=440Hz(ラの音)に合わせていました。

これは音叉を使ってチューニングしていたからだと思われますが、まず最初は5弦からになります。

次にその5弦の解放ポジションと6弦の5フレットを押さえた音程が同じになるまでペグ(糸巻き)を巻いてチューニングするわけです。

その他、いろいろな音程が複数のポジションで演奏できる、というのがギターの最大の特徴。これがギターがピアノに比べてフリーなキャラクターを打ち出している結果だと言えるでしょう。

 わが国において、人気、実力ともにナンバー1を誇るギタリスト、CHAR(竹中尚人)氏が、かなり前のインタビューでこう話していました。

「ぼくは7歳から18歳までクラシック・ピアノを習ってたんだけど、ピアノにはどこか事務的な感じがしていて、それがギターを持った瞬間、まったく違う自由な印象を受けたんだよ。で、子供ながらにいろいろ考えたけど、結局プロのギタリストになることを決意したね。」

 もちろんCHAR氏がギター、ベース、ドラムス、そしてキーボードのいわゆる「4リズム」の楽器をすべて演奏できる「マルチ・プレーヤー」になったのは、クラシック・ピアノのレッスンがあったからであろう。しかし、その人生の運命を決めたのはギターとの出会いであったことは言うまでもないだろう。