1970年代後半のこと Part-1~Bay City Rollers

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 我が国のロック事情、ぼくごときが語るより、詳しい人は星の数ほどいるわけですが、ここではギターのことを軸に書いてみようと思います。

 遠い記憶をたどるに、最初に自分のものとなったギターはガットギター。ナイロン弦でネックは太く、ジョイントは12フレットでした。1976年の冬のことです。本当は学校の先輩らが持っていたスティール弦のいわゆる「フォークギター」が欲しかったのですが、安いものでも2万円はしたので、そんな予算はなかったのです。さらに、家業である洋品店の「学生服お買い上げキャンペーン」の景品であるガットギターが都合よく1本残っていたため、親父からは「これでガマンしとけ!」ってことでそれを与えられたのです。

 ただ、このギターが手強い手強い。一応教則本は買っては来たのですが、まずチューニングから始まって、コードストローク、アルペジオ、そして弾き語り,,,とツアーになってはいたのですが、最終的な練習曲が井上陽水の「心もよう」!我が国最初のミリオン・セールス・アルバム「氷の世界」に入っていたし、シングル曲としてもヒットしていたと思うので、妥当な選曲だとは思いますが、どうも自分の好みではありませんでした。ちなみに「氷の世界」の収録曲の中で言うと、やっぱり忌野清志郎さんと陽水さんが共作した「帰れない二人」がダントツに好きです。もっとも、中学時代にはまだ「氷の世界」は聞いてもいなかったので、前に進めるわけもありません。

 実はこの頃、中学1年生の夏頃でしたが、洋楽の世界ではスコットランドのバンド、Bay City Rollers(ベイ・シティ・ローラーズ)が大ブレイクしていました。なんせ文化放送のラジオ番組の中に「輝け!ベイ・シティ・ローラーズ」なんて番組があったほどです。そんな状況下で、兄が買ってきたベスト盤を部屋に忍び込み、ヘッドフォンでこっそり聞く毎日が続きました。このバンドは「Saturday Night」の全米ナンバー1を筆頭に「Rock And Roll Love Letter」「Money Honey」などのオリジナル・ヒットもあったのですが、実はそれよりも彼らがカバーしていた60年代のヒット曲の方に興味を持ちました。「Bye Bye Baby (Four Seasons)」「Don’t Worry Baby (The Beach Boys)」「Keep On Dancing (The Gentrys)」「Be My Baby (The Ronettes)」などなど。Bay City Rollersが日本でブレイクしていなかったら、ぼくが50年代、60年代の曲に興味を持つのはもう少しあとになっていたかもしれません。そんな田舎の男子中学生が、エレクトリック・ギターに興味を持つ日も、そう遠くはなかったのです。