Black Beauty~Les Paul Customを弾くギタリスト〜その3:Eric Clapton(さらにその3)

 エリック・クラプトンの長いキャリアの中でも名盤の誉れ高い「Layla and Other Assorted Love Songs(いとしのレイラ)」。今年11月で、リリースから52周年を迎えるそうである。

52年前の1970年、この年クラプトンは、ソロ・ミュージシャンとしてはデビュー作となるアルバム「Eric Clapton」を発表。プロデュースを買って出てくれたのが、前年にツアーに参加した米国の夫婦ブルーアイド・ソウル・デュオ、デラニー&ボニーの旦那の方、デラニー・ブラムレット。そして、デラニー&ボニーのツアー・メンバーからドラムスのジム・ゴードン、ピアノ、ハモンドオルガンのボビー・ウィットロック、ベースのカール・レイドルを結果的には「引き抜いて」デレク&ザ・ドミノズを結成する。キーボードのいる4人組のロック・バンド、最高の編成。この「新人」の4人組は再びロンドンに渡り、クラプトンの親友、ジョージ・ハリスンのこちらもソロデビュー作にして3枚組アルバム、「All Things Must Pass」の大半のトラックに参加。素晴らしいセッションであった。

 米国に戻った4人組は、マイアミのスタジオで伝説のトム・ダウドの手を借り、さらには風邪薬の空き瓶ですごいスライドギターを聴かせる、デュウェイン・オールマンをゲストに迎え、正味2週間足らずで2枚組の「デビュー・アルバム」のレコーディングを完了。何かにつけ、「デビュー」の年であった。個人的にこのアルバム、15歳の時に買い求め、本当によく聴いた。こういう作品は絶対に「アルバム」で聴いてほしい。できればアナログが良いのだが、CDでもかまわない。マスタリングの新しいものがベスト。内容に関してはここでは触れないでおくが、本当に素晴らしい。

 そして、最近発見した事実。このアルバムの裏ジャケットに据えられている1950年代製のフェンダー・ストラトキャスター、通称ブラウニー。前年まで愛用していた3ピックアップのギブソン・レスポール・カスタムを卒業し、より米国的で、乾いたサウンドを得意とするストラトに乗り換えていたと信じていた事実、これが1枚の写真で覆された。明らかにデレク&ザ・ドミノズの4人でパフォーマンス中のクラプトンが肩から下げているのは、紛れもなくあの「ブラック・ビューティー」だったのである。もしかすると、レイラ・アルバムの中でも使っていた可能性もある、と思ったりしながら、またじっくり聴いてみようかな。