1968年の12月に収録された、ローリングストーンズの映像作品「ロックンロール・サーカス」からのパフォーマンスが続きます。このイベントのためだけに結成されたバンドが「ザ・ダーティ・マック」。メンバーは...
ジョン・レノン(ザ・ビートルズ):ヴォーカル、リズム・ギター
オノ・ヨーコ:コーラス、パーカッション
エリック・クラプトン(クリーム):リード・ギター
ミッチ・ミッチェル(ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス):ドラムス
キース・リチャーズ(ザ・ローリング・ストーンズ):ベース
の5人組。
曲はこの時点でのビートルズの最新アルバム「ザ・ビートルズ」(通称:ホワイト・アルバム)から、レノンの作品「ヤー・ブルーズ」。ジョン・レノンのギターは、サンバーストの塗装をはがしたエピフォン・カジノ。キースはアルバム「ベガーズ・バンケット」のレコーディング時と同じフェンダー・プレシジョン・ベース。そしてクラプトンは、ヤードバーズ在籍中に買ったと言われる1964年製のギブソンES-335。チェリー・フィニッシュでブロック・ポジションでおなじみのギターです。クリームの解散コンサートを終えて間もない夜のセッションですが、この時期のクラプトンのパフォーマンスの中でもベスト・プレイのひとつと言ってもいいのではないでしょうか。余談になりますが、1990年代にクラプトンが発表したブルース・カバー・アルバム「フロム・ザ・クレイドル」の来日公演の時、このチェリーの335も使用されたのですが、アルバムのレコーディングに合わせて購入された1958年製のサンバースト、ロングガードの335よりも、値打ち的には劣ると言われるこのチェリーの方が音的には格段に上だったのを記憶しています。どんなに骨董的な値打ちがあろうが、そのミュージシャンが生涯を共にしてきた楽器の方が、やはり「その人の音」になっている場合が多いのだ、と、クラプトンのプレイを聴きながら再認識したものです。
それにしてもこのピッキング、ビブラートのかけ方、いつ見ても独特ですね。お手本にして良いのか良くないのか、難しいところ。でも「素晴らしい音」を出していることだけは間違いありません。